マグロとは?
マグロってどんな魚?
“マグロ(鮪)”はサバ科マグロ属の魚の総称で世界で重要な食用魚として漁獲される大型の回游魚です。大きさは種類によりますが、体長3m、重さ400kgを超えるものもいます。
“マグロ”には以下の7種類が含まれます。
- クロマグロ
- ミナミマグロ
- メバチマグロ
- ビンナガマグロ
- キハダマグロ
- コシナガマグロ
- タイセイヨウマグロ
クロマグロのうち大西洋に分布するマグロをタイセイヨウクロマグロとして8種類とする場合もあります。よく“カジキマグロ”と呼ばれるカジキは生物学的にはマグロとは別種です。
マグロは赤色の身で知られ、脂肪分の量によって少ない方から“赤身”、“中トロ”、“大トロ”に分類され、寿司や刺身、ステーキ、焼き魚、缶詰などさまざまな方法で食べられています。
マグロの歴史
日本でのマグロの歴史は古く、縄文時代の貝塚からもマグロの骨が出土しています。しかし、鮮度を保つ方法がない時代には大きなマグロはもて余され、干魚にすると固く、塩漬けにしても味が劣るマグロは最下層の庶民の食べ物とされました。
江戸時代になると醤油が普及し、醤油漬けにする新たな保存方法が生まれ寿司ネタとして使われるようになり、冷蔵技術が進歩すると赤身の生食も普及しましたが、1960年ごろまでは依然として庶民の食べ物で、特に劣化が早いトロの部分は猫も食べすに跨いで通る“猫またぎ”と揶揄され敬遠されました。
白身のすっきりした旨みを好んでいた日本人ですが、戦後の食の欧米化により、動物性脂肪の旨味が広く好まれるようになったのに加えて冷蔵、冷凍技術が進歩したことでトロの人気が高まり、今では高級品とされるようになりました。
マグロの種類とそれぞれの特徴
クロマグロ
“本マグロ”とも呼ばれます。名前の通り身体が黒く、他のマグロのような黄色が入りません。体長は3m、重さは400kgにもなります。日本近海を含む北半球の太平洋と大西洋に広く分布します。大西洋に分布するクロマグロはもともと同種とされていましたが、近年は別種とする説が支持されており、“タイセイヨウクロマグロ”と呼ばれています。
クロマグロは“黒いダイヤ”や“マグロの王様”と呼ばれ、マグロの中では最高級品であり、1000万円を超える高額で取引されることもあります。味と色が濃いのが特徴で寿司に向いているとされています。旬は脂がのった冬。
近年は乱獲により生息数が減少し、クロマグロはIUCNにより絶滅危惧種とされています。
ビンナガマグロ
“ビンチョウマグロ”とも呼ばれます。大きさは最大1.4m、重さは60kgほどの小型のマグロです。全世界の熱帯と温帯海域に広く分布し、メバチマグロやキハダマグロが見られない地中海にも生息しています。
長く伸びた胸ビレが特徴的でこのヒレをもみ上げに見立て、“鬢(びん=もみ上げ)”が長いマグロ、つまりビンチョウマグロと名付けられています。
淡いピンク色の身が特徴。世界的にはキハダマグロとともに缶詰の材料として重宝され、鶏肉に似た食感から“シーチキン”として消費されます。生食用としては味が他のマグロに比べて劣るため流通量は少ないですが、近年は脂ののった時期に漁獲されたものが“ビントロ”として流通し、値段も安価なため回転寿司のネタとしてよく見られます。