時間に正確な日本の電車
“世界一時間に正確”?日本の電車
日本の電車は世界一時間の正確とも言われ、正確な時刻に到着して発車していく電車に外国人は驚くと言います。
世界では10分や15分以上遅れると遅延とされるのに対して日本では1分以上遅れると遅延とされます。それでも日本の鉄道の定時運行率は80%以上、新幹線では95%以上で、海外の基準であれば100%近くにもなると言われています。
私達乗客が目にする時刻表には分単位の時間しか記載されていませんが、実は電車の時刻は秒単位まで決められています。鉄道会社にもよりますが、10秒や15秒単位で時刻が決められています。時刻表で見る“12時00分”発の電車も“12時00分45秒”発というようにもっと細かく時刻が決められています。
鉄道会社は法令によってあらかじめ届け出た運行計画、つまり時刻表に沿って運行しなければならないと決められています。鉄道運輸規程では“鉄道ハ停車場ニ当該停車場ヨリノ旅客運賃表及当該停車場ニ於ケル旅客列車ノ出発時刻表ノ摘要ヲ掲示スベシ”として時刻表を乗客に見えるように表示する必要があり、“鉄道ハ時刻表ニ指示シタル列車ヲ其ノ時刻前ニ出発セシムルコトヲ得ズ”と時刻表より早く出発してはならないとされています。
しかし、乗ろうとしてた電車に間に合ったはずなのに乗れなかったという経験がある人もいるかもしれません。でもこれは勘違いかもしれません。
時間を守らない電車の理由
時刻が決まっていない駅がある
実は本当に時刻表の時間よりも早く電車が出発することもあります。これは“採時駅”と“非採時駅”という仕組みによるものです。
これはJRの大都市の通勤路線などで駅の間隔が短い区間ですべての駅の時刻を秒単位できっちり決めてしまうと無理が生じて逆に遅延時間が延びたりする可能性があるために用いられている仕組みです。始発駅と終着駅や運行上重要な駅は“採時駅”として時刻が決められていて、運行中時刻を合わせる“採時”が行われます。一方、途中のほとんどの駅は“非採時駅”として実は時刻が決められておらず、運転士や車掌も時刻を見る義務がありません。なので非採時駅が続く区間ではもし乗客の乗り降りがスムーズにいくとその時刻よりも早く電車が発車することもあります。とはいえ採時駅で時刻を合わせるのでどんどん巻いて何分も早く電車が発車することはありません。
しかし、非採時駅にも駅に行けば“時刻表”があります。この“時刻表”の時間は電車が発車するだいたいの時刻が書いてあるもので目安の時刻が記載されています。この時刻は“電車標準時刻”と呼ばれます。
採時駅と非採時駅は路線によって異なりますし、同じ路線でも電車によって採時駅と非採時駅が異なることがあります。
また、一般に“電車”と呼ばれる路線には2種類あり、一つは比較的近距離を走る昔から“電車”と呼ばれる山手線や京浜東北線など、もう一つは中長距離を走り“列車”と呼ばれる東海道線や宇都宮線などがあります。“電車”は採時駅と非採時駅がありますが、“列車”はすべての駅で採時が行われています。